解説
淡路島を舞台に、第1次産業の調査にやって来た女性を中心に展開するヒューマンドラマ。
島を訪れた農林水産省職員の女性が、タマネギの栽培とノリの養殖に
打ち込む兄弟と出会ったのを機に自然がもたらす恵みについて深く考えるようになる姿を描く。
監督は『小川の辺』などの篠原哲雄。
『ATARU』シリーズなどの栗山千明を筆頭に、桐谷健太、三浦貴大、豊原功補らが出演。
温かな物語に加え、舞台となる淡路島の美しい風景にも心癒やされる。
あらすじ
現在の日本の第1次産業の実態を調査するために淡路島を訪れた、
農林水産省の神野恵子(栗山千明)。
市役所の農林水産部職員・津守(豊原功補)の案内で聞き取りを始めるが、
凝り固まった考えや言動からノリ養殖場の従業員・豊島渉(三浦貴大)の機嫌を損ねてしまう。
その夜、彼女は居酒屋でタマネギ農家の4代目で渉と兄弟である豊島岳志(桐谷健太)と出会う。
彼が実現を目指すブランド野菜の販売ルート構築などを聞き、
畑や養殖場に足しげく通うようになるが、岳志と渉の間に大きな確執があることを知る。
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あまり知らされていない映画。上映館も少ない。
描かれているのは、今の日本のどの地域にも当てはまる現実なのだと思う。
ヒューマンドラマと捉えると余りにもありきたりに思ってしまうかも。
先ずは農林水産省の栗山千明演じる役柄が、もっと高慢ちきで何も知らないのに、
熱くなりがちの役に、そうではなくごく自然に抑えられていたのが良かった。
自分も農家をしていたおじいちゃんの獲った野菜で育ったという設定からか、
自分のすべき役目を、見つめるのが良い。
桐谷健太と三浦貴大の兄弟も最後には本当の兄弟のように見えて来た。
この二人も、抑えた演技が良かったのではないだろうか?
そして、「かいぼり」という海へ栄養分を運ぶ昔行われていた事を若者達が挑むのだが、
これもそんなに大袈裟なものでもないのだ。しかし昔当たり前とされていた小さな事も、
難しくなっている現実があちこちにあるということだと思う。
<帰りに白いご飯に海苔を巻いて食べてみたくなる映画です。>