母の実家に有った重箱を私が唯一継いだ物で、大正時代に作られたと思う。
母は料理も余り出来ない人で重箱も手入れが出来てなく中の漆には、
何か熱いままに煮物などを入れた型がついていたのを、金次をする人と、
知り合って漆の所も金の絵の絵柄のところも修正をして貰った・。
母のお父さん、私たちのおじいさんはとてもハイカラでお金のあった時期に、
創られていたのだと思う。お嫁に来た時に持たせて貰ったので、箱には「高橋家」の、
名が入っている。出来上がったのを見て感動した。少しお金はかかりましたが、
京都の金つぎ屋さんとかだともっと取られていたと思う。
金次も教えに枚方に来られて居る方で偶然に知りその足で重箱を取りに帰り
お願いしました。約10カ月かかりましたが自慢の重箱に生まれ変わりました。
職人さんが作ったであろう、手の込んだ重箱と解る品物だから・・修理して、
良かったと思う。金次をして下さった方もこんなデザインは見たことが無いと、
感心されていました。良い職人が居てた時代だったのだと思う。
自転車が日本に入って来た時におじいさんが大阪で一番最初に買った人だと、
聴いていたから、母の父は没落しなければと良く聞かせれていた。
今なら幾らの値段が付くのかテレビ番組に出したい位に立派だと思う。
母とかの扱いがしっかりしていればと思われた。しかし、母もその後父とは
別れ再婚したりしてもこの重箱だけは放さなかったのかとなんだかじっくり、
人の一生を観て来た重箱なんだと思う。
さて私は誰にこれを受け継がそうかと?