戦後70年を迎えた今年、20年前に書かれた森田さんの最後の作品。
「送り火」放送劇として書かれたものでした。
20年前には放送劇団などで、上演されていました。
今回<「送り火」を上演する会>を立ち上げられ、滋賀のまどい庵での、
上演となりました。まどい庵は古い滋賀から京都へ向かう街道筋・四之宮にあり、
古い民家です。逆光になっていますが奥のすだれから微かに見える庭・
身を置く座敷の雰囲気がこの作品を引き立てていました。
放送劇という制限のある中、朗読と音、ほのかな明りで進められて行きました。
ことばの持つ力で、その世界にいざなう公演・難しいですが書かれている内容・
パンフレットから・・
<迎え火から始まり、盆道を整えて死者を慰め、案じて共に過ごし、送り火で
あの世へ送り返す盂蘭盆行事と終戦日を重ね、生粋の西陣の話し言葉で平凡な
日常が静かに綴られて行く。叙情と余韻を感じさせながらも、その主題は重く、
今も問われることは多い。>
8月15日の公演が、また、それぞれの特別な想いへと誘われて行きました。
私の母の命日も8月16日だったのです。
そしてあくる日、元劇団員として舞台を共にした若柳松輔さんがこの日旅立たれたと
訃報が入ったのでした。昨日ご葬儀に行かせて貰いとても不思議な、2日間でした。