「タンゴ・リブレ 君を想う」

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第69回ベネチア国際映画祭オリゾンティ部門審査員特別賞受賞をはじめ、各国映画祭で高い評価を得た人間ドラマ。

刺激のない生活を送る中年男性が、タンゴ教室で奔放な生き方を貫く女性と出会ったことで自分自身を見つめ直していく。

監督に『ポルノグラフィックな関係』のフレデリック・フォンテーヌ、キャストには『その男ヴァン・ダム』のフランソワ・ダミアン、

『マンク ~破戒僧~』のセルジ・ロペスらが出演。深遠なテーマをはらんだ物語に加え、情熱的なタンゴのシーンも見どころだ。

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タンゴは大好き。映画「タンゴ」も、観て感動したことを思い、情熱的なダンス満載映画かと、思いきや全く違った。

愛については、複雑で奔放すぎて説明しづらいが、嫌いではない愛のあり方が全篇にある。

いきなり刑務所の中、そこで看守を勤める無口で不器用な男が主役、ダンス教室でタンゴを習っている。

そのタンゴも音楽も想像とははるかに違い地味。そこで出会った女性に惹かれていく。

その女性をめぐって、受刑者二人と刑務所の中での複雑な愛のやり取りが垣間見える。

嫉妬から、タンゴを習いたいと始まった刑務所での男同士のダンス。

ここからは、圧巻な男同士のダンスが始まる。そして、タンゴとは何かの講義、アルゼンチン出身の

これほど濃い男はいないだろうと思うのだが、タンゴの手ほどきをして行く。

男二人のすばらしいダンスに思わず拍手を送りたくなる。実際には有名なプロのダンサーだとか。

タンゴは大地の叫び、愛であると彼は話す。

タンゴはかつては男同士で踊ってたんだ、後で女を口説くために練習するのさ」と。

一人の女性をめぐって、看守の男と、受刑者二人の複雑な関係に展開していく、これが主たるものなんだが、

そんな事はどうでも良いように思えてくる。

最後のどんでん返しは、タンゴを通して、広くて大きな愛の大人の喜劇だと思った。

日本人では、作れない映画なんだと思ってしまう。

タンゴの題材なのに、フランス・ベルギー・ルクセンブルグの映画らしい。
受刑者たちが踊るタンゴの力強い迫力、このシーンは突き上げてくる情熱をいただける。

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