昔・昔・ セーラー服を着た、<やや可愛い女の子>が居ったとさ。
その隣に、詰襟の似合う<とてもとても大きな青年>も居ったとさ。
二人とも、恥ずかしそうに少しだけ間をあけて、池の周りを散歩してたとさ。
学校に見つかると停学処分になりかねない時代だったとさ。
二人は池で貸しボートに乗り、余り会話も無く恥ずかしさがいっぱいだった頃。
あの貸しボートはどこに行ったのか?
あれは遠い昔、夢に見たまぼろしだったのか?
あれから何十年も経ってしまった。
青年の名前すらすっかり忘れたばあさんが、「ここも亀だらけ」と下を除いていた。
知らない<小柄なじいさん>が、池を除いて「あれがすっぽんやで~~」と教えてくれる。
一心寺の隣が茶臼山古墳である。その中の池である。