ああ~~鰊さま・ご無礼をお許しくだされ!

鰊知り合いの方から頂いた鰊。今まで、料理をした事のない代物。

まあ、長く生きて来たので経験と知恵とで何とかなるわと、

思ったのが大きな間違いでございました。

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拝啓・鰊様

あなた様が、まさかこんなにも頑固で個性豊かなお方だったとは!

何も知らずに、うっかり手を着けてしまったことをお許しくださいませ!

まず、ご立派な木箱にお入り申されているところから、なかなかのお方と、

お察ししなければならなかったのです。箱からお出しいたし、米のとぎ汁におつかり

いただいた時に、ちょっと体臭のキツイお方だと気が付かなければならなかったので

ございます。ここら辺りから私があなた様を軽んじていたのでございます。

そのまま、一日経つことお過ごし頂き、さぞお寒い思いもされたでございましょう。

その後、ほうじ茶を入れたお湯にお入り頂き、私の自慢のシャトル鍋に、生姜、醬油

きび砂糖、酒、みりんで煮付けその後シャトル鍋にお休みいただくこと3時間。

厳かに、一口お味を試しみごとに柔らかくなられていただいておりました。

甘露煮にするため別の鍋にて、醬油、みりんを加え丁寧に煮付けていきました。

そこからでございました。

あなた様のとても言われぬ個性豊かな香を出され、家中があなた様の存在の凄さを

私に与えられたのです。

もうもう、何かのお怒りに触れでもしたのでございましょうか?

私のあなた様の扱いが気に入らなかったのでございましょうか?

どこにおいてもあなた様はそのようなお方なのでございましょうか?

それならば、私めの至らかった、あまりの知恵の無さでございました。

失礼とは存じましたが個性豊かなその香を打ち消す事、お茶を炒ったり、アロマや、

お香、もちろんファブリーズを噴きつけたり、重曹をかまわず噴きつけたりで、

とうとう、一日が終ってしまいました。

尋ねてきた宅急便のおじさんや友人の鼻は犬の如し。

私の鼻はほぼ、ずっとあなた様しか感じる事が出来ない有様でございました。

あなた様を本当に甘く軽んじておりました。大いに反省いたした次第でございます。

本日も、茶を炒め、お香、アロマ、ファブリーズを片手にウロウロする有様で。

今後、あなた様と対する時、決してこうした扱いにならぬよう田舎の山にこもり、

ご丁寧にお使え致します所存でございます。

此度は友人宅に、旅をしていただく事と相成りましたが、喜んでいただけた事が、

何よりの救いでございました。

あなた様とここ2,3日過ごし、思い出したことがございました。

北原ミレイさんが歌っておられたあなた様の有名な歌でございます。

どんなにか私もカラオケで歌ったことでしょう!

前奏がとても芸術的なのでございます。実は私の十八番でございました。

歌を歌いながら、お付き合いをさせて頂いておれば、ご機嫌を損ね無かったかもやと。

「石狩挽歌」

歌手:北原ミレイ
作詞:なかにし礼
作曲:浜圭介

(一)
海猫(ごめ)が鳴くから ニシンが来ると    解説・ごめ・・かごめ
赤い筒袖(つっぽ)の やん衆がさわぐ       やん衆・・若者
雪に埋もれた 番屋の隅で
わたしゃ夜通し 飯を炊く
あれからニシンは どこへ行ったやら
破れた網は 問(と)い刺し網か
今じゃ浜辺で オンボロロ
オンボロボロロー
沖を通るは 笠戸丸(かさとまる)         笠戸丸・・ブラジル移民の船
わたしゃ涙で ニシン曇りの 空を見る

(二)
燃えろ篝火 朝里(あさり)の浜に
海は銀色 ニシンの色よ
ソーラン節で 頬そめながら
わたしゃ大漁の 網を曳く
あれからニシンは どこへ行ったやら
オタモイ岬の ニシン御殿も
今じゃさびれて オンボロロ
オンボロボロロー
かわらぬものは 古代文字
わたしゃ涙で 娘ざかりの 夢を見る

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