終戦の日・<下村 實さん>の短歌を紹介

今年の終戦の日は、いろんな事を考えさせられる。
北朝鮮とアメリカの緊迫が、日本、アジアだけでなく世界を巻き込む状況。
戦争がどんな形で起こりうるかもしれない。
第二次世界大戦の前には、本当にあっと言う間に戦争へ突入したと経験された方は、
口を揃えて言われる。私達の年齢が戦争への道を食い止めて行かなければ、
子どもたちや孫達のこれからがどうなるのかと迫りつつ時代を思うとゾットしてくる。

以前にも紹介しているがこの日にもう一度、下村 實さんの短歌を紹介させて貰う。

短歌の会でご一緒の西野ミヨシさんの話を今年2月10日京都に聞きに行った。
お兄さんの「下村 實」さんの若くして戦死された話と残された短歌を
いろんな所で紹介されている。

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「第16師団兵士 下村實はゆく」。
下村實生い立ちと記憶
船井郡五ヶ荘村佐々江(現南丹後日吉町)で、1918年。下村家の
長男として生まれる。
6人の弟妹が続く。西野さんはその末妹。
昭和14年第6師団福知山歩兵入営。
6月 千葉陸軍戦車学校に一期生として配属。
15年 春
第16師団伏見の中部 第三十九部隊若林隊に配属。
滋賀県饗庭野 第16師団 軽装甲車訓練所にて訓練受ける。
9月 伏見に戻る。
昭和16年12月24日  フィリピン アチモナンに上陸。
26日  ルクバン近郊で被弾。 翌日戦死(23歳8ヶ月)

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  国難来たる
★ 土手に 鎌ふりつつも老爺は 応招兵の列車送りぬ
★ 輝くも 光れる玉ぞ駅頭に 勇士を送る 老母ありけり
 
入隊1年目
★ 戦友と 語りてねむる 一日の 演習の野の なつかしきかな
★ しののべの ただにまぶしき 兵営の 朝日のおどる 初年兵の日に
★ 我家の事ことごとく 知りて在る 村人なるか 忘れざりけり

入隊2年目
★ 今朝の陽に 思わず両手合わせいる 一年兵と なりて暮らせし
★ いかならむ いかならむと 思うこと はかなきふちに われは落ちゆく
★ もえつきむ やきつきむかな 我むくろ 煙となりせば 天かけるべし

故郷賛歌
★せまきままに 尚親しくは ありにけり 出でゆく人を 泣き送る人

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兄を偲んで・・・西野ミヨシ
★ 言問いの 風吹きくるや 日の本に いにしえのこと 忘れぬがため
★ 長らえる 生命は哀し 逝きし母 三たびも吾び子の 骨を抱けり
★ めぐり逢う こともなかりし 兄想う 匂いスミレの 雨に閉じゆく 
★ 茄子の馬に 乗りて還らん 軍服の兄迎えんと 門に鋸屑焚く
★ わだつみの 海つかさどる 神に問う 多くの学徒 何処に消えしや

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★ いかならむ いかならむと 思うこと はかなきふちに わらは落ちゆく
この句の深き思い、私達にははかり知れないものと、いつまでも残る歌だと・・。

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