「祭りのあと」ではなく「祭りのまえ」

京都四条通り・大丸近くにて。

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祇園祭、天神祭りも終り、祭りの後の静けさはやってこないが、

祭り前に偶然見かけた、鉾の組み立て。

約一週間位で建てこむらしいのだが、これがじつに面白い。

建て込む順序はもちろんだが、見ていると仕来たりもあるようで、

働く人たちの井出たちやたち振る舞いがかっこよかった。

長年の歴史を、守り抜く町衆の意気込みが自然と伝わってくる。

こうした町衆によって維持されて来たのが感じとれる。

20年前、祭り当日に御呼ばれさせていただいた事があった。

大きな呉服屋さんの大広間で、お昼の会席なども頂き、

大勢の人出で、威勢よく鉾を引きに出られた事を思い出した。

この20年前の祇園祭は忘れられない。

祭りの後、劇団の演出家・作家の「森田 有」が、悔しいと、

ひとこと、言い残し逝ってしまった。

享年55歳。最後に残された戯曲は「送り火」だった。

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