坂村真民さんの詩
人間ゆえに
木の悲しみ 木の怒り
石の悲しみ 石の憤り
鳥の悲しみ 鳥の叫び
魚の悲しみ 魚の怨み
なにもかも 人間ゆえに
地球の祈り
地球に額をつけて
祈るようになってから
地球が唱えている祈りが
わかってきた
ありとあらゆる人間を見つくし
知りつくしてきたこの地球の
どうにもならない業苦の声
それを知ってから
わたしは天に向かって
唱えていた真言を
地球に額をつけて
唱えるようになった
地球の祈りを
わが祈りとするために
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真民さんは、見抜いていた。「わたしは、<千年のまなざし>ということを、
近頃特に口にしているが、詩人はある意味では、予言者でなくてはならぬと思う。
つまり未来を切り開いて行く者、前人未踏の道を行く者でなくてはならぬと思う。
だからこれからの人たちは、千年のまなざしを持ち、大宇宙の中に存在する優良遊星から
笑われないような地球にしたい。でも、私は今、過去の人たちが想像もしなかった核爆弾や
核兵器の恐怖下にある現代では、個人のことよりも、もっと宇宙的視野に立って、
生きとし生きるもののことを考えねばならぬ時代に来ていると思う。
政治家も経済人も、大宇宙が持つ愛と平和の想念のわかる人となるよう、「念ずれば花ひらく」を
読んでいただいたら、この上もない喜びである。」 真民。
ーーーーーーーーーーーーー この詩集は 平成10年に発行された。
そして、この人の話を聞くと、人間が越えてはいけないところを、越えてしまったと言う気がする。
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