昔々、おお昔、若かりし頃のお話じゃが、大阪のかの有名な心斎橋、
あの引っかけ橋は、私の青春時代からも、引っかけ橋じゃった。
橋のらんかんに背をもたれ、行きかう女性を何人かで見ながら、こそこそ、ひそひそと
話しながら、おもむろに寄って来て「お茶せえ~へん」と、ニヤケテ、寄って来る男達。
女性たちもそれを分かりながら、その場所を通るのだから、ある意味、興味を持つと
「お茶にいく」のは、成立する。私と友人たちも、何人かで分かりながらその場所に、
往きかっていたものだった。
しかし暗黙の了解で、友人達との一致するのは、やはりお洒落をしている男性で大学生。
何処の大学とかと言う値ぶみみたいな話し合いや目配せが必要だった。微妙な合図!
その頃のお洒落な男性が着ていた服の流行が<VAN>か<JUN>のブランドだ。
それをあの頃着るのはかなりな裕福な大学生で、ある大学は<JUN>で
別の大学は<VAN>が多い、そんな決まりのようなのがあった。
もちろん私学。今はなかなか難しい大学になり入学も困難になっている大学ばかりなのに、
その頃女性達はかなり失礼な歌をつくっていた。
<♪〜〜大学はいやいや〜〜大学はおばか~~♪>みたいな歌が流行っていたものだった。
今、思うと自分の事はさておき大きな態度の女性達が多かったのは、今も昔も
変っていないのかも。
しかしそんな形で、その後交際していくケースは少なく、
本来の目的はどうだったかは分からないのだが、学生主催のダンスパーティーが
多くあり、大きなダンスパーティー会場を貸しきりにして「パー券」なるものを
売るのだった。その資金は自分達のクラブの資金にするのだ。
大学側からは余り出ないので厳しかったのだ。
少し親しくなると何枚かを女の子に渡して売ってくれと頼む。
そうした学生らがお洒落も必要だったかも知れない。
女性達は「あなたはJUN派?VAN派?それとも少し渋くてKENT派?」
という会話をしていたのを思い出す。
今、思うと石田純一さんはその路線をずっとそのままに来られた気がするスタイルだと思う。
現代は、石津謙介さんのデザインを継ぐ専門店が<KENT HOUSE>というらしい。
ホームページをみつけた。
→ 紳士のためのトラッドスーツ『Kent House』
ハッとする男性は、今それを着こなしておいでなのか!
昔のように、ハッとしてみたいものじゃわい。