お父さん
少年が そう叫んで
号泣した
あちらこちらから
嗚咽の声が洩れた
戦争の終った日
八月十五日
靖国神社の境内
海の向こうの<戦場>で
死んだ
父の 夫の 息子の
兄弟の
その死が なんの意味も
なかった
そのおもいが 胸のうちを
かきむしり
号泣となって
噴き上げた
しかし ここの
この<戦場>で
死んでいった人たち
その死については
どこに向って
泣けばいいのか
その日
日本列島は
晴れであった
懐かしい風景や陶芸・演劇等を綴っています