5月5日の朝日新聞・天声人語・

いつも、天声人語には、胸を打たれる。特にこの日は格別。
朝日新聞社の、「福島の子どもたちからの手紙」は出ると同時に購入した。
子供達の絵は、チェルノブイリの子供達の絵との共通していた事に驚かされた。
ふるさとや住んでいた家、友達と遊んだ所に必ず黒く塗られた絵がある。
骸骨のようであったり、人間のようであったりするのが共通していた。
絵の上ではあるが、心の中の暗闇を、感じる。
「私達は何歳までいきれますか?」と、子供達が質問していた。
こんなことをいう子供たちは今までになかったのではないだろうか?
大人達に言う。「ちゃんと答えてくれる人に今度は聞きたい」と。!
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5月5日  朝日新聞より

怪談をとことん味わう趣向に「百物語」がある。百本のロウソクを灯(とも)した部屋に好き者が集まり、それぞれが怖い話をするたびにロウソクを消す。最後の一本が消えたその時、本物の怪異が現れる運びだ▼重苦しく暗転する座敷に、日本の原子力発電が重なる。御(ぎょ)しがたいロウソクは福島でまとめて倒れ、浜岡では折られ、ついに本日、残る一本の泊(とまり)3号機が定期検査で消える。「原発ゼロ」は商業運転の初期、1970年以来という▼さて、どんな化け物が出るのやら。政府や業界は電力不足を案じる。停電という妖怪が怖いなら、大飯(おおい)に再び火を灯しましょうと言う。折しも立夏。予報では、そこそこ暑い夏になるらしい▼だが不気味さ、危うさで放射能をしのぐ怪はない。憂うべきは夏の不快ではなく、次世代のリスクである。原発を使い倒した大人の罪滅ぼしは、節電なりで時を稼ぎ、より安全な未来を手渡すこと。こどもの日に歴史が刻まれる因縁を、偶然で終わらすまい▼『福島の子どもたちからの手紙』(朝日新聞出版)で、高3女子が「思い続ける三つのこと」を書いている。「不安、悲しい、腹立たしい。体への影響の心配、何故(なぜ)こんなことが起きてしまったのか、何故ここなのか」と▼私たちはすでに、まだ見ぬ子孫にまで大借金をしている。このうえ不確かな技術を押しつけられようか。原発ゼロの闇にうごめく変化(へんげ)をしかと見届け、退治の策を練りたい。未来から投げかけられる、いくつもの「何故」に備えて。

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