幼き頃・・・・11・・・姉の嘘つき!

家が、駅から離れているので 幼稚園も遠くて行けなかった。友達もなく、もっぱら一人で

山の桃の木の下でゴザを敷いて人形と話をしたり、歌を勝手に作って唄っていたり、

姉たちが遠足の時は、お弁当を作って貰い、桃の木の下で人形と食べていた。

幼稚園には一度面接に行った事がある。園長がテストにいろんな色を指でさし、

「はい、このいろは?このいろは?」と、順調に進んでいたのだが、ねずみ色を指された時、

言えなくて固まってしまった。「これよ。これ!」と、見せられたのは、本物そっくりの鼠の玩具!

それを見た途端、「わあ~~~~」と泣き出した私!。面接は終わった。どうやら落ちた。

そんな頃にテストがあったのだろうか?疑問は残ったが、幼稚園には行かなかった。

お陰で一人遊びが上手な子になっていった。ゴザに寝そべって雲を見ているのも好きだった。

そんな私だったが、姉の存在は大きく、何をするのも、姉の後にくっ付いていた。

だから、時折姉が遊んでくれる時、とてもうれしかった。4歳年上だから遊びは限られていた。

姉は人形などで遊ぶタイプではなく、木の上に登っているのが似合っていた。

私とは、いつも、かくれんぼだ。

家の中はかくれんぼをするのにとても適していて、ぐるりと家中を、周れる構造になっていた。

どちらもが、2回程鬼になったりしてから、姉がいきなり「今度は私が鬼になったるわ!」と、

「えっ 良いのん!」「うん、いいよ!」「もういいかい」「まあ~ だだよ」「もういいかい?」、

私は五右衛門風呂の中へ蓋をして息をひそめ姉に見つからないように待つ。

しかし、何時まで経っても、姉が見つけに来ない、来ないどころか姉の気配がない、

不安になり、反対に鬼でない私が「おねえ~ちゃん、 おねえ~ちゃん」と捜しだす。

いない!。 姉がいない!。

ふっと外を見ると、ケラケラと笑い、振り向き振り向きしながら、坂を走り降りている姉を見つける!。

「おねええ~ちゃ~ん」と 叫ぶ!。姉はケラケラ笑って飛んでいるように見えた。

その頃親が居ない時は、誰かが留守番をする事になっていた。私のような小さいのでもさせられた。

姉は一度ではなく何度も「今日は絶対に噓はつけへん!針、千本飲むし! ぜったいのぜったい!」

と約束するのだ。が、結果はケラケラ笑って坂をころげるように行く姉を見る結果となる。

姉の行く先は下のほうの家(ちょっこさん)のところだ。

(ちょっこさん)本当の名前はなんだったのだろう。千代子さん、ちよさん ちこさん なんだったのだろう。

姉には何千本の針を飲んで貰うことだったかと・・・。

そうして、悔しがる私に「騙されるあんたが、あほやねん!」と、悲しい言葉で済まされた。

思い出すとケラケラ笑う姉の顔は、(じゃりんこちえ)の大きな口を開けた笑い顔に似ている。

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