劇団「THE SHAMPOO HAT」の赤堀雅秋が作・演出・主演を手掛けた戯曲を、
彼自らの演出で映画化したヒューマンドラマ。
ひき逃げ事件の犠牲になった妻の復讐(ふくしゅう)に燃える男と、
その事件の犯人で刑務所から出てきた男の対峙(たいじ)を、重厚なタッチで紡ぎ出す。
堺雅人が復讐(ふくしゅう)の機会をうかがいつつも、良心の呵責(かしゃく)にさいなまれる男を熱演。
また、山田孝之が、粗暴と孤独を併せ持つひき逃げ犯を演じ切る。
人間の残酷さと狂気、そこから生まれるかなしさを深くえぐった深遠なテーマも見逃せない
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観終わってもすぐに言葉が見つからない。何日も頭のなかで、ぐるぐると考えてしまう映画。
一人で観に行くのには、しんどいかな?と思っていて、ギリギリに知り合いと行く事なった。
二人とも何か他愛のない話をしているかと思ったら、また、映画の「あのシーンはどうなんだろう?」と、
どちらからもはっきりとした答えもなく話していた。何が言いたいのかとか、そんな事では片付かない
映画だと思った。戯曲だったらしいから、どんな舞台だったろうかと興味が沸いた。
リアルではないようだが、捉え方ではリアルなんだ。だから、何時までもぐるぐるとして頭に残る。
役者は、すべて、魅力的で、堺雅人さん今年はいろいろと七変化のようにドラマと映画に出てますね。
山田孝之、綾野剛、新井浩文、濃い良い役者さんばかりだが、難解な役で、苦しまれた感がした。
観た人には長く残る日本映画のひとつだと思った。