幼き頃・・48・・悪夢の夏休み!

中学に入学した、と、同時に、父と姉私の三人の生活になり、小阪から引越しをした。

父の仕事が少しは安定していたのかも知れない。おばあちゃんたちも、年をとり

大変になったのもある。小阪から、3っつ目ぐらいの駅「若江岩田」の、新築の家に移る。

新築と言っても、余り いい建物でもなかった気がする。この頃から、そんな家があちこちに

建ち出した頃だ。その家に、家事をしてくれる住み込みのお手伝いさんのおばあさんが来た。

あまり、好みのタイプの人ではなかった。人の「ウソ」は、きっちりと見抜く力を身につけていた私だ、

少々の身の上話など、信用出来なかった。いろんなウソの中に、夏になると、大金持ちの別荘に

お手伝いに行くので、夏休みは居れないと、さっさと帰ってしまった。

真実は、おばあさんは小さな体のわりには大きな頭、実は全カツラで、夜中になると、外していたのを、

私は見抜いていた。だから、暑い夏は頭から首に汗が流れるように滴り落ち、それで夏は持たなかったのだ。

始めての夏休み、今までとは違い<自由>だ!。誰からも何も言われずにおもいっきり休みを楽しめる。

もう、ワクワクして、友達とも遊ぶ約束をいっぱいし、いろんな計画をたてたりした。

夏休み、始めの計画はプールに行くことだった。新設中学校だったのでプールがなく、元の小学校に

日を決めて借りることになっていた。若江岩田からは遠かったが元の小学校に行く事も楽しみだった。

姉は朝早くから高校の部活動でいなかった。ワクワクしながら、プールの用意もして、立ち上がった時、

異変がおきた。お腹がいたくなり、なんか、生温かいものが、足に流れ落ちた。血だ!

何が起きたか、驚きでしばらく動けずにいた。そのまま、ジットしていたら治まるかと思ったのだが、そうではなかった。

考え考えして、ハット気づく、<これか!保健の時間に習ったのは!えらいことになった!どうしたら良いのや!

プールは行かれへん、お父ちゃんに見つかったらどうしょう!とりあえず、ジットしとこ!>

そして、トイレに何度も行って、微塵もせずジットしていた。本当にどうして良いか分からずにいた。

姉が夕方帰って来たが、なんか悪い事をしたように何も言えず机の前にいてジットしていた。

とにかく、ひたすらジット動かずにいた。二日程して、姉が意地悪そうな顔をして「あんた、始まったやろ!」と

攻めるように言うのだ。「あんたは私より早いな!私は2年生になってからやったで!お父さんに言わなあかんな!」

「やめて!お父さんに言うのはやめて!」私は、やはり悪い事をしているような気になり、姉に懇願した。

「そしたら、言わんといたるから、夏休みの間一日おきの留守番、あんたがずっとしいや!」「えっ!夏休み全部!」「せや!

お父さんに言われたくなかったらそうしい!」何と理不尽な!と、思ったけれど、仕方なく「うん」と返事した。

またもや、姉はにんまり 笑っていたように思う。でも、次の日「ついといで」と、連れて行かれたのは、姉の親友の家で

そこのおばちゃんが、「女の人はみんなこんな事があるのやで、それで、こうして」と下着などを用意して、教えてくれた。

姉は姉でどうして教えたら良いのか分からなかったのだろう。この時だけ、母が居てくれたらと思ったことはない。

悪夢のような夏休みが終わり、学校に行き仲良しの友達に勇気を出して「私、夏休みに始まってン、あれ!」

「ああ・・私も始まったで、お母さんがお赤飯と鯛で、祝ってくれはったわ!」「えっ!お赤飯と鯛?で 祝って?!」

あああ・・・そうだったんか・・その他の子も、皆、祝って貰った話をしていた。私は姉に脅迫され40日も留守番、

酷い夏休みだったのに!皆は祝ってもらっていたのや!

<母が居たら、祝ってくれたんやろうなぁ~。>・・・・  ずっと忘れられない酷い夏休みだった。

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