NHK朝イチ。疑惑だらけで訳分からん!

いつものようにM氏よりのメール、私もNHKをちらっと観ていてので??とは感じでいたが

後は詳しく観ていなかった。朝の番組は主婦などが観ているのが多いので、これは影響力が

強いと感じて、何かいきさつがあったのだろうか?汚染肉は徳島で完売されていたみたいだし、

又もや「今すぐ人体に影響ありません。」と、聞かされる我々逆に、「いつか影響ある」と思え!と

受け取れる。以下  M氏のメールから。

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安斎育郎氏・斎藤紀医師、このお二人の先生のこのところの発言に、いささか戸惑ひ、その真意
を測りかねてゐます。
従来から、反核(反原子力、また内部被曝について優れた発信をされてこられたお二人だからこ
そ、今この発言は、お二人に共通する何か深い配慮があっての事なのか、私なぞには判断がつき
ません。

お二人の専門家としての功績については論を俟たないものと思ひます。

安斎育郎(1940年生)/現・立命館大学名誉教授、立命館大学国際平和ミュージアム名誉館長。
専門は放射線防護学、平和学。
長年、国の原子力・核政策を激しく批判。東海村臨界事故の調査
活動や反核運動・平和運動などにも携はる。
東京大学原子力工学科卒。工学博士。1964~1986年・東京大学医
学部・放射線健康管理学助手などを経る。
(著書)「放射線のやさしい知識」、「家族で語る食卓の放
射能汚染」、「放射能そこが知りたい」、「福島原発事故」(2011/5/9)他

齋藤紀 (1947年生)/現・福島市・医療生協わたり病院(民医連)勤務医。全日本民医連被曝
問題委員会委員。
原爆症認定集団訴訟に於いて「国は内部被曝の影響を考慮せよ」
と意見。チェルノブイリ(ベラルーシ)で子ども達への医療活動。
今回の震災後も、直後から無償で医薬品配布や治療活動を行ひ、
被災者に寄り添う医師との評判。
福島県立医大卒。広島大学放射線医学研究所、広島大学保健管理
センター、福島生協病院院長などを経る。
(共訳)「死に至る虚構」ジェイ・M・グールド、ベンジャミン・
A・ゴルドマン共著、「低線量内部被曝の脅威」ジェイ・M・グールド著(いずれも肥田舜太郎氏
などとの共訳)

このお2人が、6/29のNHK・あさイチ「イチからわかる“内部被ばく”」に揃って出演されてゐた
のです。
「あさイチ」は、平日8:15amから始まるNHK風ワイドショー(?)で、お気楽さを装って視聴者に
おもねる類ひの番組に思へて、あまりマトモに見たことがないのです。
この日もチラッと見て安斎さんが出てはる(!)と思ひ、チラチラッと見ると安斎さんなどの発言
が「えっ?」となったのですが、少々いぶかしんだものの見流してゐました。
その後、活字でも両氏の最近の発言に出会ひ、非常に気になり始めて、番組もNHKオンデマンド
でもう一度チェックしました。

TV、活字における(気になる)発言は共通してゐます。

安斎氏→厚生労働省が決めた暫定基準値内のものであれば全く問題ない。今市場に出てゐるもの
は大丈夫。子どもが食べても安全。「だうしても気になる人」はよく洗うか、煮るか、酢を加へ

ばかなり除去出来る。子ども達のためには、おいしい料理を豊かな食材で、栄養を
バランスよく取って作ってあげる方が、あまり神経質になるより健康に良い。
放出されたのは爆発時、3/15前後の数日間だけで今はほとんど放出されてゐないか
らその時に降り積もった分の汚染に対処すれば良い。

齋藤氏→現在の放射線量では、一般住民にとって急性障害の心配は全く無いと言ひ切って良い。
広島・長崎の被曝者調査の経験からは、現段階では晩発性障害のリスクも低い。
内部被曝の問題は重要だが、排出、修復されるし、免疫力もある。癌検診などが発
達してゐるので、将来の晩発性障害は克服される。

などなど・・・。

お2人のスタンスは若干異なってゐるやうに感じますが、TV番組でお2人が事前にすりあわせをし
てゐたであらう事は確かに感じられました。

安斎氏は、自分が放射線防護学者であると云ふ権威を度々持ち出しながら、現在市場に出ている
ものは大丈夫、暫定基準値無いなら安心を強調されます。
全国保険医新聞(2011/4/5)に書かれた記事では、情報公開・予防措置・規制と保障などについ
て大変厳しい論を張ってをられるが、一方で同じ記事の中で「例えば、この暫定基準で汚染され
た食品を、毎日毎日、水なら1.65リットル、乳製品なら200グラム、野菜なら600グラム、穀物な
ら・・・摂取し続けると、一年間の被曝線量が自然界から受ける放射線量と同程度あるいはその
数倍になるという程度だから、放射線の影響を気に病んで鬱々と生きなければならないようなレ
ベルからは程遠い。」と云った記述があり、これとほとんど同じ文章が近著「福島原発事故」に
もあるさうです。
安斎氏の基本姿勢はハッキリしたもの(反核・平和)に思へますが、被曝の問題に限ってはIC
RPや放射線影響研究所のデーターが、拠りどころとして度々引用されます。
以前から「自然放射能と人工放射能に違いはない」や「外部被曝と内部被曝に差はない」などと
書いてはりますし、(ICRP同様)明らかに内部被曝の影響についての軽視が感じられます。
ご専門の放射線防護学。ICRP=国際放射線防護委員会が、核開発推進のために基準を設けていっ
たやうに、放射線防護と云ふ考へ方自体、
『放射線防護の目的は、放射線誘発癌や突然変異のような確率的影響と、放射線誘発皮膚炎や白
内障のような確定的影響の二つに分けて、確定的な有害な影響についてはこれを防止し、確率的
影響についてはこれを容認できると思われるレベルにまで制限することで被ばくを伴う行為が確
実に正当化できるようにすることを放射線防護の目的としている。』
(WEBLIO辞書)

と云ふやうなものであって、何処まで行っても「社会的利益(?)の為に」許される(あるひは許
されない)基準を考へるものらしいですね。

齊藤医師は内部被曝に関してかなり詳しいのだと思ひます。(肥田舜太郎医師も信頼してる?)
その上で、ヒロシマ・ナガサキでの被曝はミリシーベルトからシーベルト単位であり、今回のマ
イクロシーベルトは論外の桁で何を慌てるのか、急性障害の心配はない、晩発性もリスクは低い
とおっしゃる。冷静さを取り戻して復興にシフト、医療や生活再建など具体的な支援を進めるべ
き、とも。被災者に寄り添ふと云ふのは確かなのでせうが。

あさイチ、番組後半で視聴者からの質問に対する齋藤医師の答へ。赤ちゃんにはミネラルウオー
ターを使ふべきか?→「硬水の場合は良くない」。内部被曝の症状は?→「内部も外部も線量に
よる、今のレベルでは症状は出ない」。すでに鼻血などの症状が出ているともきくが?→「被曝
が症状を作るときは細胞を壊す時、一定の線量が無い限り症状は作らない」。
など、はぐらかすやうな答へばかりに感じたのは私の疑心暗鬼(または無知)のせいなのでせう
か。
また、安斎さんは、プールでのベビースイミングに関する質問に、「水は放射性物質を遮蔽する
効果があるし、水を飲みに行く訳ではないので大丈夫」と答へてゐたのには、オイオイ!と思っ
てしまったのですが。
番組の最後は「福島のおばさんから送られてきた新鮮な野菜に一瞬怯んだものの、あさイチを見
て勉強してゐる私はよく洗って子供たちとおいしく頂きました」と云ふ、視聴者からの投稿FAX
が読み上げられて締めくくられました。

私は、いはゆる御用学者とも、国とも一線を画するこのお二人の賢者の発言を、だうしても理解
できずにゐます。
この問題は、今、そしてこれから、要となる論議なのだらうと思ってゐます。

お2人に、何か深い配慮があるのでせうか。何か深い知見から、優先順位の考へ方が異なるので
せうか。

皆さんはだう考へられますか・・・。

安斎育郎氏/Peace Phylosophyの論文→http://peacephilosophy.blogspot.com/2011/05/blog-post_17.html

当初とても真っ当に感じながら読んでゐたのですが、今読み返すと、3)の最後の方、被災者の
心理的ストレス・不安を取り除くことに言及しつつ、「放射線影響学(!)的な知見」を持ち出す
辺りが、最近の安斎氏の(安全・安心)発言に関係してゐるやうにも思へます。

齋藤紀氏/講演「正確に学ぶ放射線・人体への影響」(2011/3/21)→
http://www.fuku-min.org/fmir/%E6%AD%A3%E7%A2%BA%E3%81%AB%E5%AD%A6%E3%81%B6%E6%94%BE%E5%B0%84%E7%B7%9A%E3%83%BB%E4%BA%BA%E4%BD%93%E3%81%B8%E3%81%AE%E5%BD%B1%E9%9F%BF_%E9%BD%8B%E8%97%A4%E7%B4%80%E5%8C%BB%E5%B8%AB_.pdf

齋藤紀氏/動画「今原発事故被災地の避難者に求められる支援は何か」(2011/5)→
http://www.min-iren.gr.jp/html/menu8/2011/20110320144004.html

齋藤氏に対し、私と同様の疑念を持った(?)ブログ。コメントも興味深いデス→
http://d.hatena.ne.jp/nikoju/20110412/1302617974

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コメント

  1. 豹変という感じはありません。もともと、安斎さんの発言には、「必要以上に恐れることはない」という言葉がたびたび出てきていましたし、被災地支援の食物購入についても、以前から同様の立場だったと思います。わたし的には大人はとにかく、子どもにはどこの食品も口に入る前にチェックをしてもらう科学的なシステムが必要であり、それは被災地産に限らないということです。基準値については世界的なものをしっかり提示してもらいたいとも思っています。

    • nono より:

      コメントありがとうございます。本当に子ども達の健康が、ますます気になる事になってくると思っています。
      去年から関わっている「やんちゃっ子ひらかた」という保養キャンプをしています。この3月末からも、子ども達10人が
      来ます。去年ももちろん安全な食材さがしをしました。が、今回、全てのキノコは、ダメと言う話が出て、びっくりしました。
      しいたけの事は分かるのですが、ハウス栽培のエノキやシメジもと言うことのようです。まだ、私自身そこのところの話の経緯を
      きちんと調べていないのですが、今回はとにかく使わない事にしました。いろんな事で、報道されないことが多すぎます。

  2. 清水彰二 より:

    はじめまして。5年目の3・11が近づいていますね。再稼働と福島への帰還が強制されていく3・11です。そういう中でも「もし健康被害が出たとしても国や県は放射能との因果関係を認めないと思うし、そうなったときの責任は親である私たちの責任になる。子どもの命を守ることは親として当たり前の事だ」と声をあげている福島の親たちとつながっていきたいと思っています。それでこの状況を作り出しているのは単に政府や行政だけではない。例えば福島の民医連や安西安斎育郎の言っていることに対するまっとうな批判が弱すぎるのではと思います。それで検索したらこちらの記事が見つかりました。ぜひ「群馬合同労働組合」ならびに「ナゼンぐんま」のブログでリンクを貼ったうえで文章を転載させていただきたいなと思いました。よろしくご検討ください。

    • nonoblog より:

      ご連絡、ありがとうございます。
      安斉郁郎さんについては、難しい話も出してこられた方もいます。
      丁度、本日の私のブログに、内部被曝について毎日新聞での記事を掲載させていただきました。
      地方版しか載っていないものでしたから。
      親御さんたちがどんなに悩みながら生活をされているかと言う話です。
      5年も経ってしまい、<安心ではない、安全ではない>というのを忘れてしまっているのでしょうか。
      関西では無関係ではない「高浜原発」が再稼動されました。何かあれば琵琶湖の水は直ぐに汚染され、
      広範囲の人々が生活出来なくなります。福島に学ぶ事が出来ないで、こんな状況になって行く日本です。
      日々、危機感を感じていますが、小さな力を少しでも集めるしかないですね。
      どうぞ、随分前の話ですが、安斉郁郎氏の話は出してください。

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