陶淵明・「雑 詩」 訳・川島雄三

このところ、いろいろと忙しく、落ち着かずの生活があり、

気を紛わすのに書類の整理をしていたら、

私の大好きな映画監督・川島雄三・訳

<陶淵明の詩>・1998に年賀状で、店をしていた時に使ったのが出てきた。

年齢もあり、日常に追われているのもあり、まさに今、相槌をうつばかり・・。

片付ける事は、自分にいろんな事を気付かせてくれるのかもしれない。

ひらがなが、川島雄三・訳です。

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雜詩其一  歳月人を待たず

人生無根蔕  人生 根蔕なく                にんげんねもなくへたもない
飄如陌上塵  飄として陌上の塵の如し            みちにさまようちりあくた
分散逐風轉  分散し風を逐って轉じ             ときのながれにみをまかすだけ
此已非常身  此れ已に常の身に非ず             しょせんこの身はつねならず
落地爲兄弟  地に落ちては兄弟と爲る            おなじこのよにうまれりゃきょうだい
何必骨肉親  何ぞ必ずしも骨肉の親のみならんや       えにしはおやよりふかいのだ
得歡當作樂  歡を得なば當に樂しみを作すべし        うれしいときにはよろこんで        
斗酒聚比鄰  斗酒 比鄰を聚めよ              ともだちあつめてのもうじゃないか
盛年不重來  盛年 重ねては來たらず            わかいときはにどとはこない
一日難再晨  一日 再びは晨なりがたし           あさがいちにちにどないように
及時當勉勵  時に及んで當に勉勵すべし           いきてるうちがはなではないか
歳月不待人  歳月 人を待たず               さいげつひとをまたないぜ

人間の生には(植物のような)しっかりとした拠り所がなく、
ひらひらと舞い散るさまは路上の塵のようだ、ばらばらになって風に吹かれて飛び散り、
もとの通りに居続けることはない

この世に生まれたからにはみな兄弟だ、骨肉の間柄だけではない、歓楽の機会があればすべからく楽しもう、
酒があれば近所の連中を集めようではないか、

盛りの年は二度とはない、今日という日は再びは来ない、時に及んでまさに行楽を楽しもう、
歳月は人を待ってはくれないのだ

人生のはかなさを説き、時に及んで行楽すべしとうたうこの詩は、陶淵明の詩の中でも有名なものだ、
特に最後の四句は人口に膾炙してきた、だが、意味を取り違え、歳月は人を待たないから、
寸刻を惜しんで勉強すべしというふうに、解釈されることが多かった。

それは勉励を、普通に言う勉強と受け止めたことの結果だろうが、
ここでいう勉励とは行楽に精を出すことをいうのであるく

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