以前、京都の劇団での、公演で紹介した、井上ひさしさんの「きらめく星座」、劇中の
セリフだが、私自身が、今一度、噛しめたくなった。
広告文案家、竹田のセリフ
「ぼくは、広告文案家です。いま、誰かから「人間」という商品の広告をたのまれたとします。
さあ、ぼくはどんな広告文を書けばいいか。」
「おそらく「人間」を宣伝する文案は、こう書くしかないんじゃないでしょうか。・・・
「この宇宙には4千億もの太陽が、星があると申します。それぞれの星が平均10億の惑星を、
引き連れているとすると惑星の数は約4兆。その4兆のなかに、この地球のように、程よい気温と
豊かな水に恵まれた惑星はいくつあるでしょう。たぶんいくつもないでしょう。
だからこの宇宙に地球のような水惑星があること自体が奇跡なのです。・・・・
水惑星だからといってかならず生命が発生するとはかぎりません。
しかし地球にある時小さな生命が誕生しました。これも奇跡です。その小さな生命が数かぎりない試練を
経て人間にまで至ったのも奇跡の連続です。そしてその人間の中にあなたが居るというのも奇跡です。
こうして何億何兆もの奇跡が積み重なった結果。あなたもわたしもいま、ここにこうしているのです。
わたしたちがいる、今生きているというだけでもうそれは奇跡の中の奇跡なのです。こうして話をしたり、
だれかと恋だの喧嘩だのをすること、それもその一つ一つが奇跡なのです。人間は奇跡そのもの。
人間の一挙手一投足も奇跡そのもの。だから人間は生きなければなりません。」
「菊の花はコトバが喋れない、だから匂いでぼくたちの鼻に何事か語りかけてきます。
星だって同じです。星もコトバを持っていませんが、光をきらめかせながらぼく達の目に語りかけてきます。
地球は奇跡だピカピカ、人間はピカピカの奇跡そのものだ」って。